日時:2025/12/17~2025/12/18
(事前学習:2025/12/08 – オンライン)
会場:那須高原周辺のフィールドを予定しています。(調整中)
上記期間で行われる2025那須 LEAVE NO TRACE L1コース開催要項のページです。
コース概要、スケジュール、Leave No Trace関連資料をお知らせいたします。
料金:23,000円(初日受付時に現金またはPaypayでの支払い)
申込方法:申込フォームからお申し込みください
申込締切:12/07(日)
対象:野外指導者、アウトドアガイド、施設職員、学校教員など
参加条件:特に設けていませんが、インストラクターとしてLeaveNoTraceの原則を伝える模擬ワークショップを行います。今までにLeaveNoTraceを学んだことのない方は事前に各自で学習をしておくことが望ましいです。
*宿泊を含んだコースではありません。宿泊が必要な方は各自での手配をお願い致します。
*すでにL1インストラクター以上を取得の方で自主学習のためにオブザーバーとして参加することも可能です。(無料・上記申し込むフォームよりお申し込みください。)
講師:ラブ (山﨑和幸)
栃木アウトドア事業振興会BERGTOAD 会長
ITTAN outdoors 代表
福岡県北九州市 出身 那須町 在住
特技はスワヒリ語が話せること。2年間ケニアに教師として滞在。好きなものはカツ丼、唐揚げ。イモと豆が嫌い。アドベンチャーレースではZambezichallenge, Sustina 100, サハラマラソン, Nakuru Great Rift Valleyに出場。登山歴はデナリ、キリマンジャロ、KirinyagaRenana等。これらの経験を活かしたアドベンチャラスでフレンドリーをモットーにしたガイディングを心がけています。
昨今ではATが盛んに取り上げられており、LNTの重要性も広く認知され始めてきました。しかしまだまだ一般アウトドア愛好者には馴染のない言葉であり概念が浸透しておりません。これからインストラクターとなる方たちからより多くの方々へこのLNTが伝えられるようになる講習としていきたいと思います。
WEA 国際野外指導者認定 COL
Leave No Trace 国際環境倫理プログラム L2 インストラクター
WMA 国際野外救急 WFR
EFR 国際小児野外救急 CFC インストラクター
JSPO 日本スポーツ協会 ジュニアスポーツ指導員
JEIEL 日本教育学習評価機構 ID expert
16mm映写技師
Leave No Trace(LNT)とは、屋外での活動を楽しむすべての人々が、環境への影響を最小限に抑えるための行動指針であり、環境倫理です。これは「~してはいけない」という厳格なルールではなく、なぜそうするのかという科学的根拠に基づいた「考えるためのツール」です。自然を守り、他の訪問者の体験を尊重し、そして私たち自身の安全を守りながら、未来の世代も同じように美しい自然を楽しめるようにするための、思いやりの指針とも言えます。
・環境に与えるインパクトを最小限にして、アウトドアを楽しむための環境倫理プログラム
・すべてのテクニックが7つの原則を基にしており、誰にでもわかりやすく、楽しく実践することができる
・世界90カ国のアウトドアレクリエーションにおける行動基準
ミッション
環境に対するインパクトを最小限にした責任あるアウトドアの楽しみ方の教育と普及を通じ、将来にわたり全ての人が楽しむことのできる健全な自然環境を維持します。
ゴール
1)LNTを全ての子供に
2)LNTを全ての公園に
3)LNTを全てのアウトドア指導者に
4)アウトドアを楽しむ全ての人がLNTを行動に
ヒストリー
1960年代アウトドア レクリエーションによる深刻な自然破壊が起こり、連邦森林局でミニマムインパクトの概念が生まれました。
1970年代連邦国立公園局 、土地管理局、魚類野生動物局がミニマムインパクト運動に加わりました。
1980年代連邦森林局による”No Trace”運動が全米国立公園に普及しました。
1990年代連邦森林局と全米野外指導者学校(NOLS)が、LNTのトレーニングプログラムを開発しました。
1994年Leave No Traceが独立した組織として設立しました。
1999年LNT7原則が発表されました。
2003年Leave No Trace Center for Outdoor Ethics(通称LNTセンター)に改名し、世界中の野外団体や自然公園がLNTを採用するようになりました。
教育体系
・リーブノートレイスの教育体系は、Level3インストラクター(旧Master Educatior Instructor)Level2インストラクター(旧Master Educatior)、Level1インストラクター(旧Trainer)、ワークショップ(旧Awarenes Workshop)の4段階に分かれています。
・Level1インストラクターは、リーブノートレイスを魅力的なワークショップを通じて指導する能力を身につけるカリキュラムで、7原則の基本的な概念や体験学習法を理解する2日間~3日間のコースです。野外指導を行う、インストラクター、ガイド、施設職員、教師などを対象に計画されています。ワークショップは、リーブノートレイスに関する、1日以内の体験会です。一般のアウトドアユーザーや市民がリーブノートレイスを楽しく体験できるよう計画されています。
・Level2インストラクターは、Level1インストラクターを開催するための能力を身につけるカリキュラムで、リーブノートレイスの様々な技術と指導法を包括的に学習する5日間のコースです。主として、キャンプディレクターやガイドのエデュケーターなど、専従の管理者、教育者を対象に計画されています。
「知識」ではなく「体験」で学ぶ
LNTワークショップの最大の特徴は、体験型・実践型の学習スタイルにあります。教室で「こうしてください」と教わるのではなく、実際のフィールドに出て、自分の手と足と五感を使って学びます。例えば、一般的なキャンプ講習ではテントを設営する際に、「平らな場所を選びましょう」と教わるかもしれません。しかしLNTワークショップでは、参加者自身が複数の候補地を観察し、それぞれの環境への影響を考え、議論し、最適な場所を選ぶプロセスを体験します。
「なぜこの場所がいいのか?」「植生への影響は?」「水源からの距離は?」「次に来る人への影響は?」――こうした問いを自分で考え、答えを導き出す力を養います。
「ルール」ではなく「原則」を学ぶ
LNTは単なるルール集ではありません。7つの原則という枠組みはありますが、それは「こうしなければならない」というルールではなく、状況に応じて柔軟に判断するための指針です。なぜなら、自然環境は多様だからです。高山と森林では、砂漠と湿地では、人気の観光地と原生林では、取るべき行動が異なります。また、季節や天候、同行者の人数や技術レベルによっても最適な選択は変わります。
LNTワークショップでは、様々なケーススタディを通じて、「この状況ではどうすべきか?」を考えるプロセスを提供します。正解が一つではない問題に向き合い、環境への影響を最小化するための最善の判断を下す力 ――これがLNTの核心です。
インストラクターコースでは
上記の理念でワークショップが開催できることをゴールとしています。
原則1事前の計画と準備(Plan ahead and prepare)
・行き先のルールや注意することを知ろう
・悪天候や緊急時に備えよう
・ピークシーズンや混雑する時間帯を避けよう
・できるかぎり少人数のグループで活動しよう
・できる限りゴミが少なくなるようにパッキングしよう
・標識に頼らずに地図とコンパスを使おう
原則2影響の少ない場所での活動(Travel and camp on durable surfaces)
・指定地、岩、砂、雪、乾いた草など頑丈な土地の上で活動しよう
・キャンプサイトは水辺から60m以上離れたところに見つけよう
・よいキャンプサイトは作るのではなく見つけよう
よく使われている場所では
・指定のトレイルやテントサイトを利用しよう
・トレイルがドロドロでも真ん中を歩こう
・キャンプサイトは植生が少ない場所にできる限り小さく設営しよう
ほとんど使われていない場所では
・人が入っていないところではキャンプサイトや歩行を分散させよう
・インパクトが始まりかけた場所は避けよう
原則3ゴミの適切な処理(Dispose of waste properly)
・すべてのゴミや食べかすを持ち帰ろう
・キャンプサイトや休憩場所を離れる時にゴミを確認しよう
・トイレは水辺、テントサイト、トレイルから60m離れたところに見つけよう
・トイレは20cm程度穴を掘って行い、終わったらしっかり埋めよう
・トイレットペーパーは持ち帰ろう
・食器は水辺から60m離れたところで、必要最小限の天然洗剤で洗おう
・食べかすはこし網で取り除こう
原則4見たものはそのままに(Leave what you find)
・文化的、歴史的遺跡は触れずに見るだけにしよう
・石、植物等すべての自然物は置いて帰ろう
・外来生物を運んだり、持ち込んだりするのを避けよう
・木で何かを作ったり穴を掘ったりしないようにしよう
・キャンプサイトはもと通りにしてから出発しよう
原則5最小限のたき火の影響(Minimize campfire impacts)
・できる限りストーブを使うようにしよう
・たき火をするときは焚き火台やマウンドファイヤーを使おう
・たき火の大きさは必要最小限にしよう
・薪には手で折れる程度の落ちている枝だけを使おう
・すべての薪が灰になるまで燃やそう
・灰は完全に消火してからバラまこう
原則6野生動物の尊重(Respect wildlife)
・野生動物は遠くから観察しよう
・野生動物にエサをあげないようにしよう
・食べ物に野生動物が近づかないようにしよう
・ペットはいつもつないでおくか、家に置いてこよう
・子育てや巣作りなどをしている野生動物には近づかないようにしよう
原則7他のビジターへの配慮(Be considerate of other visitors)
・他のビジターの体験の質を保とう
・他のビジターとスペースを譲り合おう
・他のビジターとすれ違うときは登りの人を優先しよう
・キャンプや休憩はトレイルから離れて行おう
・自然を静かに楽しもう
・Level 1 インストラクターコースは、アウトドアの最前線に立つ指導者、管理者のために適した資格です。例えば、アウトドアガイド、キャンプカウンセラー、施設スタッフ、学校教員など、参加者、生徒に対してワークショップや日常的な野外指導を通じてLNTを伝える役割を担っています。
・カリキュラムは、LNT7原則の中から特定のトピックスをコースの参加者自身がティーチングを行います。参加者は、このティーチングやインストラクターからの補足を通じて、LNT7原則の基礎的なスキルを身につけます。
・Level 1 インストラクターコースを通じて、多くの野外指導者はLNTの必要性を理解し、LNTを実践できるようになります。
LNTインストラクターコースの特徴でもある要素がスチューデントティーチングです。ワークショップ開催に向けての実践的練習の場として、またLNTの理解をより深めることを目的として受講者自らが模擬ワークショップを行っていきます。
本コースでは2~3人が1グループとなり模擬ワークショップを行っていただきます。各グループには事前に2つから3つの原則が割り当てられます。インストラクター講習当日までに模擬ワークショップの組み立て、準備を行ってください。
講習の1日目には事前に組み立てを行った模擬ワークショップを現地を確認しながらブラッシュアップするための時間を設けています。
栃木アウトドア事業振興会BERGTOADがお届けする「LNT L-1インストラクターコース」は、単にLNTの資格を取得するためのものではありません。みなさんが提供する自然体験の「質」をより良いものとするため、国際基準のガイド・野外指導者になるための、WEA(国際野外指導者)カリキュラムを基盤とした知識・スキル・マインドを身につけるプロフェッショナルガイド養成講座です。
BERGTOADのコースの最大の特徴は、「インストラクショナルデザイン(ID)理論」 に基づき、LNTワークショップの設計と実践を学ぶことです。ID理論とは、「なんとなく楽しい」体験を、「意図した学び」と「確実な行動変容」に繋げるための科学的な設計技術です 。このID理論の思考法は、LNTのワークショップ設計だけに留まりません。
あらゆる自然体験コンテンツの組み立てに応用可能です。「なぜ、このアクティビティを、この順番で行うのか?」―その全てに明確な意図を持ち、参加者の学びを最大化する「設計図」を描けるようになります。
優れたガイドは、知識を「教える人(Teacher)」ではなく、参加者の「気づきを促す人(Facilitator)」です 。
本コースでは、「教えるな、問いかけよ」 という基本姿勢のもと、ガイドに不可欠な「ファシリテーション技術」 を徹底的に磨きます。
これらの技術は、LNTの倫理的なジレンマを扱う上ではもちろん、あらゆるガイドシーンにおいて参加者の主体的な参加を引き出すための強力な力となります。
私たちが提供するのは、教科書通りの理論ではありません。
現役の国際認定ガイドが指導
講師は、国際資格を保持し、今も第一線のフィールドで活躍する現役のアウトドアガイドです。理論と現実のフィールドを結びつけ、生きた知見を提供します。
全国での豊富な実績
私たちBERGTOADは、組織として全国の様々なエリアでインタープリテーション全体計画策定、魅力的な体験コンテンツの造成、そして国際ガイド人材育成を手掛けています。
そのノウハウと実績の全てを、このLNTコースに凝縮しています。
日時:2025/12/17~2024/12/18
1日目:2025/12/17 (集合8:45~) 開始 09:00 解散 18:30
2日目:2025/12/18 (集合8:45~) 開始 09:00 解散 17:00
会場:那須高原周辺のフィールドを予定しています。(調整中)
・コースのほとんどは屋外での活動となります。動きやすく防寒対策として十分暖かい服装で参加してください。
・会場で指定されているルールに則った行動、LNTインストラクターとしてふさわしい言動を心がけてください。
・屋外で座れる背もたれ付き座布団があると便利です。
・雨天開催です。模擬ワークショップは雨天時の代替案も考慮して組み立てを行ってください。
・1日目、2日目の昼食は持参となります。
・昼食は各自での調理となります。登山中の食事を想定した調理内容としてください。調理道具・カトラリーのご準備をお願いいたします。お湯だけを利用しての調理を必要としないレトルトやカップラーメン等はご遠慮ください。
・ティーチングのために必要な備品は各自での持参となります。(受講者に求める持参品がある場合は事前にお知らせください)
資格取得条件
以下の基準をすべて満たす場合、受講者はLevel 1インストラクター資格を取得することが可能です。
1)規定時間のカリキュラムを消化した場合
2)LNTのスキルを適切に実践できる場合
3)LNTの考え方を適切に人に伝えることができる場合
4)LNTの原則に基づいた行動ができる場合
※資格の登録には、LNTJへ入会し年会費を納入する必要があります。個人スタンダードメンバー(5,000円/年)または団体スタンダードメンバー(15,000円/年)以上をお選びください。資格取得者は最終日に登録に関する説明があります。クレジットカードのご用意をしてください。
1日目(12/17)
09:00 ブリーフィング
09:15 LNT概要・ATガイドとは
10:00 ティーチング・教育理論・インストラクター研修
11:00 ファシリテーション研修
11:30 お昼 / 模擬ワークブラッシュアップ
14:00 ティーチング ① 原則7 他のビジターへの配慮
14:30 フィードバック・解説
15:20 (休憩)
15:30 ティーチング ② 原則2 影響の少ない場所での活動
16:00 フィードバック・解説
16:50 (休憩)
17:00 ティーチング ③ 原則5 最小限の焚き火の影響
17:30 フィードバック・解説
18:20 フィールドクリーン
18:30 解散
2日目(12/18)
9:00 ティーチング ④ 原則4 見たものはそのままに
9:30 フィードバック・解説
10:20 (休憩)
10:30 ティーチング ⑤ 原則6 野生動物の尊重
11:00 フィードバック・解説
11:50 お昼
12:30 ティーチング ⑥ 原則3 ゴミの適切な処理
13:00 フィードバック・解説
13:50 フィールドクリーン・移動
14:30 ティーチング ⑦ 原則1 事前の計画と準備
15:00 フィードバック・解説
15:50 (休憩)
16:00 修了試験
16:50 合格発表・L1説明
16:50 フィールドクリーン
17:00 解散
アウトドア活動に適したウェア
レインウェア
防寒着
ザック
ヘッドライト
ティーチングに必要なもの (受講者に求める持参品がある場合は事前にお知らせください)
飲み物
昼食(1日目と2日目の昼食は持参となります)
調理道具・カトラリー(昼食は屋外で各自での調理となります。お湯だけを利用しての調理を必要としないレトルトやカップラーメン等はご遠慮ください。)
筆記用具
個人ファーストエイド
クレジットカード(入会金支払い用)
(屋外で座れる背もたれ付き座布団があると便利です。)
オンライン(Google Meet)にて
コース受講者へURLを送信いたします。
内容
・LNT概要
・ID理論とは
・コース説明
・模擬ワークショップの説明
・グループ分け
・原則1-7の割り振り
・質疑応答
*備考
事前の顔合わせということもあり、参加者の皆さんはカメラ、マイクをオンの状態での参加をお願いします。